2020年1月スタートの日曜ドラマ『テセウスの船』。
音臼村事件のモデルとなる実話の事件はあるのでしょうか?
今回は、元ネタと考えられる実話の事件について考察します。
※この記事の考察はドラマが進行する都度リアルタイムで更新しています。
※以下では原作漫画のネタバレがありますのでご注意ください。
Contents
テセウスの船の舞台は音臼村!青酸カリ集団殺人事件
ドラマ『テセウスの船』の原作は、漫画『テセウスの船』です。
田村心(竹内涼真)が『音臼村殺人事件』の謎を追うタイムスリップ・サスペンスです。
ー音臼村の殺人事件とは?(テセウスの船あらすじ)
音臼村という雪深い集落の小学校で、青酸カリ(毒物)混入による集団殺人事件が起こりました。
1989年6月24日、小学校のお泊り会のとき、夕食と一緒に出されたオレンジジュースに青酸カリが混入。
生徒16人と職員5人が死亡した事件でした。
佐野文吾(鈴木亮平)の自宅から青酸カリが見つかったことで逮捕されます。
最高裁で死刑判決を受けるも、文吾はその後も無実を主張し続けています。
文吾は当時、音臼村の駐在所の駐在員でした。
凄惨な音臼村殺人事件にモデルとなった実話の事件について考察します。
テセウスの船は実話?元ネタ&モデルの集団殺人事件
モデルとなった実話の事件ですが、候補を6つ取り上げてみます。
①津山事件
1938年に起きた「津山事件」。
貝尾集落という限界集落でおきた大量殺人事件です。
犯人は都井睦雄といい、村人を次々と殺傷したあと、自ら自殺しました。
小説『八つ墓村』や『丑三つの村』のモチーフになった事件でもあります。
②青酸コーラ無差別殺人事件
1977年に起きた「青酸コーラ無差別殺人事件」。
電話ボックスにあった未開封のコーラ、置いてあったチョコレート、などを拾い口にしてしまった人間が次々と倒れ死亡する事件が起きます。
検査によってコーラやチョコレートには青酸反応が出たことで、青酸中毒による殺人事件と認定されました。
犯人は未だに捕まっていません。
③パラコート連続毒殺事件
1985年に起きた「パラコート連続毒殺事件」。
自販機の取り出し口に農薬を混入したジュースが置かれていたものです。
未開封のジュースを飲んだ人間が次々と死亡。
事件が起きた場所は、東京、大阪、福井など日本全国バラバラで、これらの関連は不明。
これも犯人は捕まっていません。
④松本サリン事件
1994年に起きたオウム真理教による「松本サリン事件」。
オウム真理教の信者が、毒物サリンを使い、集団殺人事件を起こしました。
オウム真理教幹部が犯人とされており、教祖の松本智津夫の指示で起こした事件とされています。
⑤和歌山毒物カレー事件
1998年に起きた「和歌山毒物カレー事件」。
地域のお祭りで出されるカレーに毒物が混入される事件が発生。
この事件で4人が死亡しました。
犯人とされる林眞須死刑囚は、今でも無実を訴えています。
⑥附属池田小事件
2001年に起きた「附属池田小事件」。
犯人の宅間守は付属池田小学校に凶器を持って侵入。
児童たちを次々と襲い、児童8名が命を落としました。
2004年に死刑が執行されています。
モデルとなった事件の考察
上でご紹介した6つの事件のうちモデルとなった話はどれなのか?
結論から言うと、”毒物”、”集落”、”怨念”、など要素に応じて色んな事件が元ネタになっているのかなと思います。
とはいえ一番気になるのは、やはり犯人像ですよね?
個人的には、犯人像のモデルで一番近いのは、『①津山事件』ではないかと思います。
以下は原作漫画のネタバレを含みますのでご注意ください。
テセウスの船の犯人像!音臼村モデルは貝尾集落の『津山事件』か
津山事件は小説『八つ墓村』のモチーフにもなった集団殺人事件
1938年に起きた「津山事件」。
貝尾集落という限界集落でおきた大量殺人事件です。
小説『八つ墓村』や『丑三つの村』のモチーフになった事件でもあります。
犯人は都井睦雄といい、村人を次々と殺傷したあと、自ら自殺しました。
津山事件の犯人の人物像
都井睦雄の顔画像↓
都井の人物像に迫ってみましょう。
都井は、2歳で父を、3歳で母を、ともに肺結核で亡くし、祖母の生まれ故郷である貝尾集落に引っ越してきました。
小学校を卒業直後に肋膜炎を患って医師から農作業を禁止され、昭和12年の徴兵検査では結核を理由に事実上不合格になっています。
この頃から、筒井は関係を持った女性たちに拒絶されるようになり、心ない風評に不満を募らせていきました。
都井は、大量殺人事件を計画し、凶器を集め、村人たちの殺傷を決行。
その後、猟銃で自らの心臓を撃ち抜いており、即死しています。
津山事件の犯人の犯行動機
都井は、遺書を残しており、その遺書で、この日に犯行を起こす決意をしたのは以前都井と関係があったにもかかわらず他家に嫁いだ女性が貝尾に里帰りしていたから、と遺しています。
都井の想い人である女性への恋慕や、肺結核に対する自身への悪口を言った村人に対する怨念が、犯行動機の根幹にあったと言われています。
都井の想い人である女性は、幸運にも殺害を免れて生き延びました。
しかし、彼女は被害者の一人であるにもかかわらず、周囲からは「被害を作った張本人」と見なされ、事件後70年経っても地域社会から孤立していたと言われています。
テセウスの船の犯人は誰なのか?津山事件の都井との共通点!ネタバレあり
原作漫画では、『加藤みきお』が犯人とされています。
ドラマでは、『車椅子の男』のこの人物ですね↓
原作漫画に登場する『加藤みきお』の人物像は次のとおりです。
加藤は、両親が亡くなって祖母に引き取られ、音臼村に転校してきました。
加藤は、転校したての自分に優しく接してくれた鈴に特別な感情を抱き、「世界が鈴と僕だけになる夢」を描くようになり、犯行を計画しました。
津山事件の都井も、幼少期に祖母に引き取られ集落に引っ越してきていますし、筒井が抱いた想い人への歪んだ恋慕も、ドラマの設定と重なる部分があります。
都井の想い人だった女性が、事件後、地域社会から孤立している点も似ている気がします。
皆様はいかが思われますでしょうか?
最後までお読み頂きありがとうございました。
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