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ゴーンの逃亡劇に海外の反応は?レバノンでは英雄扱い・郵便切手に肖像画も。

2019年の年の瀬に秘密裏に日本から逃亡した日産自動車のカルロス・ゴーン元会長。

ゴーン被告は故郷レバノンでは英雄として扱われており肖像画が郵便切手に使われるほどの人気です。

今回の逃亡劇は多くのレバノン市民から好意的に受け止められていますが、一部では政府の「金による汚職」の延長、「敵国イスラエルと通じる男」と見られている節もあります。

その一方、フランスでは、ゴーン被告はフランスでも会社の金を流用した問題などを含む3つの事件での捜査が進行中だったため、フランスの司法からも逃れたと冷ややかな報道も。

ゴーン被告の12月逃亡劇直後海外の反応をまとめました。

ゴーン被告が逃亡後レバノンで行った記者会見に対する海外の反応はこちらの記事にまとめています。↓

ゴーン被告の記者会見に対する海外の反応は?

ゴーン被告が日本から逃亡!

2019年の年の瀬に、ゴーン被告が日本を極秘に出国・逃亡したと各紙が伝えました。

日産自動車の前会長で金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中のカルロス・ゴーン被告(65)が31日、日本を出国して中東レバノンへ渡航していたことが明らかになった。

レバノンから発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。

保釈の条件では、海外への渡航は禁止されている。ゴーン前会長が日本からどのように出国したかは不明だ。レバノンは、日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない。

ゴーン被告は容疑を全面的に否定している。

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191231-50953796-bbc-int)

ゴーン被告の逃亡経路についても徐々に詳細が明らかになっています。

ゴーン逃亡経路や逃走方法は?逃亡劇の全貌をわかりやすく解説! 2019年の年の瀬に、カルロスゴーン被告が極秘に日本を出国していたことが明らかになりました。 東京地裁もゴーン被告の弁...

ゴーン被告の逃亡劇に海外の反応は?

ゴーン被告の逃亡劇に海外メディアの反応は?

ロイター通信(イギリス)

「ゴーン元会長の突然の逃亡は、日本の司法制度に厳しい視線を投げかけた。その司法制度とは、容疑者を長期間拘束し、1日8時間におよぶ取り調べの際に弁護士が立ち会うことを禁止する、というものだ」

(引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191231/k10012232921000.html)

フィナンシャル・タイムズ(イギリス)

「もし、ゴーン元会長が日本に戻らなかったら、訴訟手続きは混乱に陥り、日産とケリー氏のみが裁判にかけられることになる」

(引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191231/k10012232921000.html)

レゼコー(フランス)

「東京拘置所に108日間勾留されたことと、妻との接触を禁じたという保釈の条件の両方によって、日本の司法制度が注目された」

(引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191231/k10012232921000.html)

リベラシオン(フランス)

レバノン政府はカルロス・ゴーンをこれ以上ないほどあたたかく迎え入れてくれるだろう。こうして、ゴーン氏は日本の司法による追求を逃れたように見えるが、実はこうすることで、フランスの司法による追求も逃れているのだ」

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00000001-courrier-int)

ル・モンド(フランス)

「カルロス・ゴーンへの支援をしぶるフランス」「フランス政府や経済界が意外にもゴーン氏擁護にそれほど熱心ではない

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00000001-courrier-int)

※ゴーン被告はフランスでも会社の金を流用した問題などを含む3つの事件での捜査が進行中だったため、フランスの司法からも逃れたと冷ややかな報道が行われています。

ゴーン被告の逃亡劇に海外政府・経済界の反応は?

マクロン大統領(フランス)

「政府は株主として、アライアンスとルノー・グループの安定に細心の注意を払うだろう、そしてそのことこそが『優先事項だ』

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00000001-courrier-int)

パニエリュナシェ経済・財務副大臣(フランス)

「非常に驚いた。昨夜、報道を通じて知った」

「ゴーン元会長は日本でもフランスでも法を超える存在ではない。ほかのフランスの市民と同じく法律を尊重する必要があり、一方でどのような状況でも大使館の支援を受ける権利もある」

(引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191231/k10012232921000.html)

マルティネス労働書記長(フランス)

「パスポートやプライベート・ジェットを用意し、支援者をみつけて逃亡するようなことは自分にはできない。それは、金持ちの世界の話だ」

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00000001-courrier-int)

ゴーン被告の逃亡劇に海外市民の反応は?

フランス市民はゴーン逃亡に理解・好意的

フランス各紙が行った市民へのアンケート調査によれば、大多数が日本の司法制度を理由に、ゴーン被告の逃亡への理解を示し、支持しているようです。

ー「ゴーン氏が日本から逃げたのは正しかったか」(ウェブサイト調査)

「イエス」が78.3%、「ノー」が21.61%(「フィガロ誌」)

「イエス」が66.2%、「ノー」が33.8%(「ル・ポワン」紙

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00000001-courrier-int&p=2)

レバノン市民は英雄として評価

ゴーン被告に近しい近隣住民は、ゴーン氏はレバノンの英雄であり、日本は彼を不当に暑かったとして、今回の逃亡劇を評価しています。

近くの商店を所有する50代の男性は、大みそかを前にゴーン氏が戻ってきたことはうれしいと語り、

(日本は)彼を不当に扱った。人は有罪が証明されるまでは無実であり、その逆ではない」と静かな口調で述べた。

(引用:https://www.afpbb.com/articles/-/3261803)

隣接する建物に住む50代女性は、日本でのゴーン被告の扱いには衝撃を受けたという。

女性は、「彼にこんな扱いをすべきではない」と語り、「隣人の私たちは、彼に大きな敬意を持っている。レバノン人にとって、彼は成功の最たる模範だ」と語った。

(引用:https://www.afpbb.com/articles/-/3261803)

ゴーン被告はレバノンで多くの国民から国民的英雄と見なされており、レバノンでは郵便切手の肖像画になったほどです。

カルロス・ゴーン郵便切手

一方、レバノン国内にはゴーン被告の入国は、政治と経済の二重危機に見舞われている同国にさらなる問題をもたらしたと指摘する声も上がっています。

ベイルート・アラブ大学(Beirut Arab University)のアリ・ムラード(Ali Mourad)助教

フェイスブック(Facebook)に「カルロス・ゴーンが突然、私たちの身に降りかかった。まるでこの国には泥棒がまだ足りないとでも言うかのように」と投稿した。

映画監督のルシアン・ブージェイリ(Lucien Bourjeily)氏

はツイッター(Twitter)への投稿で、「カルロス・ゴーンは声明で日本の『不正に操作された』司法制度から逃れたと述べた。それから居心地の良い、レバノンの『効率的な』司法制度にやってきた。ここでは巨額の公的資金が毎年横領されても、政治家が汚職で刑務所に入れられることは絶対にない」と述べた。

さらに、若者の間では「敵国イスラエルと通じた男だ」などと非難する声も上がっています。

ー携帯電話店従業員(27)

カネのためなら敵とも通じるのがあの男だ。レバノン人は、イスラエルとの戦争で多くの人が殺された。そんな国と仲良くする男は、この国にいらない」。

(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200103-00000087-mai-soci)

ゴーン被告の逃亡劇に対する海外の反応まとめ

ゴーン被告はレバノンでは英雄として扱われており今回の逃亡劇は多くの国民から好意的に受け止められていますが、一部では政府の「金による汚職」の延長と見られている節もあります。

その一方、ゴーン被告はフランスでも会社の金を流用した問題などを含む3つの事件での捜査が進行中だったため、フランスの司法からも逃れたと冷ややかな報道もあるようです。

ゴーン被告の今後の動向が注目されます。

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