鬼獄の夜109話/37巻ネタバレ！全巻無料・最新話まで読み放題の漫画アプリも解説

《ネタバレあらすじの内容！》

『覚えてるか？俺たちの高校の卒業式』 

『美空姉ちゃん、式中ずっと声出して泣いててさ…』 

どんだけ弟のこと大好きなんだよ、と言う鷹介。 

なぁ晴、そう呼びかけて車のエンジンをかけました。 

鷹介の後ろには、俯いたままの晴が立っていました。 

鷹介は晴に、仕方ないだろう、と言います。 

『ただの怪我だったらエリカ様の血が消化されても生きていける』 

『けど俺は死んだ、血を貰い続けないともう生きていけないんだよ』 

血の効力は、頭や心臓を再生不可能なくらい損傷しない限り生き続けられます。

つまり鷹介は、エリカの傍にいないと生きていけません。

同じ立場だったら晴だってそうするだろ、と鷹介は言いました。 

しかし晴の亡霊は、何も言うことなくそこに立ち続けています。

ひとり話す鷹介の表情は、 

笑顔を作りつつも、少しずつ歪んでいきました。 

そして手に取った上着を地面に叩きつけ、 

本当は親友の姉を見殺しになんてしたくない、と叫びました。 

しかし鷹介には、こうするほか為す術はなかったのです。 

生き返った鷹介に出された、エリカからの選択肢。 

逃げて数日とも知れない生を全うするか、 

柴に仕えるふりをして、エリカに血を貰いながら柴家で生き存えるか… 

鷹介は壊れていく牡丹を見て、 

牡丹を残して死ねるわけがないと思いました。 

だから、後者を選び柴家に仕えていたのです。 

鷹介は俯き眉をしかめて、 

なんでこんなことになったんだろうな、と言いました。 

そして、どうして時間は戻らないんだろう、と… 

鷹介の脳裏には、昔の楽しかった頃の記憶が脳裏に浮かびます。 

『悪いな晴…俺は美空姉ちゃんを助けない』 

『俺は牡丹を選ぶって決めたんだ』 

鷹介はそう言いましたが、本当は心には迷いがありました。 

そこへ、銃を身に着けた柴がやってきます。 

鷹介は柴に促され、急いで柴の車へ向かいます。 

柴は、チラリと鷹介の車に目をやるのでした。 

―――柴の車を鷹介が運転し、贄取塚へ向かう柴と鷹介。 

鷹介がどこへ向かえばいいのか尋ねますが、柴は答えません。 

鷹介が柴にもう一度声をかけると、 

裏切る人間はどういうやつか知ってる？、と柴は言いました。 

そして鷹介の横にある窓を開け、 

手際よく鷹介のシートベルトを外しました。 

鷹介は一瞬のことに抵抗する間もなく、 

柴に頭を掴まれ、外へ押し出されました。 

車は猛スピードで走り続けています。 

お前迷ったな、と言って薄ら笑いを浮かべる柴。 

『迷いは隙を作り、意思を弱く脆くする』 

『そして言い訳を作り出し、保身に走らせる』 

柴がそう言うと、鷹介は離してくれと嘆願しました。 

柴は、車のキーは美空の為か？、と聞きました。 

先程、鷹介は残していった車の中に、キーをわざと置いていきました。 

柴はそれに気づいていたのです。 

いや違う…あれは自分の為だ、と柴は言いました。 

鷹介は否定しようとしますが、 

『抱えきれない罪悪感を軽減するための、虚しい自己満足だ』 

そして続けて柴は、牡丹、美空、僕… 

それぞれに言い訳をして取り繕おうとするお前が見える、と言いました。 

お前みたいな弱い人間が裏切る、と言って柴は笑みを浮かべます。 

鷹介が何度もやめてくれと叫びますが、 

柴は離すことはなく、鷹介の頭は勢いよく木にぶつかり… 

ガンッと鈍く激しい音が、暗い森に響くのでした。 

―――『…鷹介？』 

その頃の牡丹は何かを察して、森の方を見ます。 

月明かりが照らされる部屋の中で、牡丹は森を見つめるのでした。

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