鬼獄の夜99話/33巻ネタバレ！全巻無料・最新話まで読み放題の漫画アプリも解説

《ネタバレあらすじの内容！》

―――『お兄ちゃんには言わないで』 

エリカは、恭平を追いかけようとする灰原の腕を掴み、そう言いました。 

灰原はエリカの言葉に戸惑いながら、 

（何らかの理由で顔無し鬼と贄取塚の発生に関わり、 

自身の血で生き物の蘇生さえ行えてしまう異能力者） 

そのエリカの正体を、柴は知らないのかと疑問に思います。 

灰原はエリカに、口止めをするならどうして話したのか聞こうとすると… 

エリカは灰原の言葉を遮って、 

『私はお兄ちゃんを愛してる』 

『お兄ちゃんが楽しく生きてる、それだけで十分だったのよ』 

エリカは静かにそう言いました。 

そしてもじもじし始めたかと思うと、 

だけど分からなくなっちゃった、と言って顔を赤らめました。 

死んでも他の男に渡したくない、と言った恭平の想い。

エリカは、愛してるとそんな風に考えるものなの？、と子供のように質問します。 

（エリカさんは口止めしてるんじゃない…これは恋愛相談！！） 

灰原はそう思い、頭を抱えました。 

今はそんな話をしている場合じゃないと考える灰原に、 

構わずエリカは恋愛相談のような質問を続けます。 

灰原は、これ以上エリカから話を聞けそうもないので、 

美空の元へ向かうためにその場を去ろうとすると… 

『お兄ちゃんがそんな風に美空ちゃんを想ってるかもと考えたら、苦しいのよ』 

エリカはぽつりと呟いて、足元にいた蛇を拾い上げました。 

エリカの言葉に、灰原の身体に冷汗が流れます。 

美空ちゃんを殺せば苦しくなくなるの？、と言って、エリカは蛇の首を掴みました。 

そして、蛇を握り潰したのです。 

『これがもしかして¨死んでも渡したくない¨って気持ちなの？』 

そう言って、息絶えた蛇を床へと落としました。 

灰原は、エリカに対しずっと感じていた違和感がはっきりと分かりました。 

忌まわしき贄取塚で生き続けてきたなら、 

尋常じゃない数の人間の負の感情に晒されてきたはず… 

だからエリカの複雑な人格は、そこからきているのではないかと灰原は考えます。 

そんなエリカにとって美空たちの人間関係は、 

初めて触れる¨正¨の感情なのかもしれない、と灰原は思い… 

（エリカさんの心は、ただの無邪気な少女） 

灰原は考えが行き着くと、今までのエリカの矛盾した行動に納得がいきました。 

エリカにとっては打算も何もなく、 

ただ目の前の蝶に戯れているだけ、それと同じことだったのです。 

それなら、と灰原は何かを思いつき、眉をしかめました。 

そしてエリカに、その感情は¨嫉妬¨であることを教えてあげます。 

『人は貪欲な生き物で、欲求はエスカレートしていくものです』 

『僕も、美空さんを誰にも渡したくありません』 

灰原はそう言って、真っ直ぐにエリカを見つめました。 

自分には恭平のような強さはなく、美空のような行動力はない、と灰原は思います。 

だから自分のやり方で、美空を取り戻すことを決意したのです。 

『僕と一緒に大切な人を取り返しませんか？』 

灰原は真剣な眼差しで、エリカにそう言うのでした。 

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