鬼獄の夜86話/29巻ネタバレ！全巻無料・最新話まで読み放題の漫画アプリも解説

《ネタバレあらすじの内容！》

『１１…１２…１３…』 

幼少期の柴が、何かの数を静かに数えていました。 

ボトリ、ボトリとアリの頭を瓶の中へと落としていく柴… 

なんと瓶の中には、数えきれないほどのアリの頭が入っていました。 

（人は死んだら天国か地獄に行くという） 

（天国でも地獄でもどちらでもいいから、早く僕を連れて行って） 

柴はそう思いながら、淡々とアリの頭をもぎ取っていきます。 

するとそこへ柴の父親がやってきて、 

にこにことした顔で、来客の準備をするように言いました。 

柴は、従順に返事をします。 

そしてアリの頭が詰まった瓶が見つからないように、 

そっと瓶を、自分の背中で隠すのでした。 

―――夜も更ける頃… 

『ほーら、鳴いてごらん』 

なんと、まだ幼い柴に複数の男たちが性的な暴行をしていました。 

蝋を柴の身体に垂らしたり、 

柴に性器を触らせ、泣いていてもお構いなしに押さえつけています。

『贄取塚の風習はすっかり廃れたがこれだけは止められない』 

『ご先祖様達がやってきたことだから、これは儀式ですよ』 

男たちは楽しそうにして、 

そう話しながら行為を続けようとします。 

ひとりの男が、私にもご利益を、と言いながら柴のお尻を持ち上げると… 

我慢ならなくなった柴は裸のまま、逃げだそうと外へ飛びだしました。 

（もう嫌だ、風習なんて僕は知らない） 

（僕には関係ない！！） 

男たちが大声をあげるのも無視して、 

柴は泣きじゃくりながら無我夢中で走ります。 

すると走る柴の手を、柴の父親が掴みました。 

父親は、これは柴家の務めなんだよ、と言って柴を説得しようとします。 

しかし柴は、贄取塚の風習はなくなったのに、

どうしてこんなことをするのか理解ができません。 

鬼も生贄もいないのに、と言って泣きながら父親に助けを求めました。 

父親は柴の前髪を掴むと、 

『深く考えるな、月に数回のことじゃないか』 

『死んだお前の母親はほぼ毎日お勤めしてたんだぞ』 

にこにこした顔を崩さずにそう言いました。 

そして、風習というのはこういうものだ、と淡々と言い放つのでした。 

―――翌朝、父親の言葉に絶望した柴は無心でアリの頭をもいでいました。 

瓶の中に次々と頭を入れていくと、 

柴の後ろに、瓶を手にした父親が立っていました。 

柴は目を見開き、蒼ざめた顔で父親を見ると、 

こんな遊びは止めなさい、と言って父親は瓶から中身を出して踏みつぶしました。 

『アリに当たっても何も変わらないぞ』 

『疑問に思うから苦しくなる、淡々とこなせばすべて収まるんだ』 

父親はそう言って、柴を連れて行こうとします。 

柴は、これは救済なんだ、と言って涙を流しました。 

（僕の痛みの分だけ、この世のしがらみから命を解き放ってあげたかった） 

柴はそう思いながら、踏みつぶされたアリの頭を見つめます。 

すると父親は、にっこりとした表情を崩したかと思うと…

おまえ母親に似てきたな、と言って不敵な笑みを浮かべました。 

そして柴を部屋へと連れて行き、実の息子である柴を無理やり襲います。 

（とっくに連れてこられてたんだ） 

（もう、ここが地獄なんだ） 

父親に犯されながら、柴はそう思うのでした。 

―――柴の話を聞いた美空は、柴家の因習に眉をしかめました。 

前に顔無し鬼を父親だと疑った時に逆上したのはそのせいか、と美空は思います。 

柴家の因習にエリカは関わっているのか聞こうとすると、 

質問には答えた、と言って柴は砂時計を回しました。 

そして美空の頭をベッドに押し付け、 

久しぶりに父親を思い出したことに苛立っている様子。 

『次、僕の番』 

美空の顔に跨って、そう言うのでした。 

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